乱歩奇譚アニメ第9話を解説&考察!原作「恐ろしき錯誤」との比較

乱歩奇譚9話 考察
Pocket

今回の会議参加者

ピョン2号 たかし
ピョン通常 たかし通常
考察者 初心者

質問者の写真
乱歩奇譚(らんぽきたん)の第9話、解説はっじめるよー
質問者の写真
今週の展開はいつも以上にぶっとんでたね……
質問者の写真
うーん……南検視官までもが二十面相とは……
質問者の写真
今週はどんな内容で書くつもり?
質問者の写真
今回は、前半の気になった部分の解説がメインかな。
質問者の写真
それじゃ、今週もよろしくお願いします。

スポンサーリンク

乱歩奇譚のキャラ名復習

質問者の写真
それじゃいつも通りキャラ名をわかりやすくしておこう。
名前 呼び方 特徴
コバヤシ コバヤシ少年 13歳の主人公
アケチ アケチ探偵 17歳の天才高校生探偵
ナミコシ ナミコシ アケチ探偵の親友
ハシバ ハシバ生徒会長 14歳の財閥御曹司
ナカムラ ナカムラ警部 38歳の刑事
ミナミ ミナミ検視官 検視官
ムナカタ ムナカタ医師 医大名誉教授
質問者の写真
続いて本編あらすじ。

乱歩奇譚第9話のあらすじ

前回からの続き。すべての事象を見通す数式は、怪人二十面相を生み出す方向性でプログラムが組まれている

二十面相事件のデータを集計して引数に入れても、ナミコシが書いた数式の解読ができないアケチ探偵

学校にいくことを拒否し、数式の解読を行うコバヤシ少年と、それを心配するハシバ生徒会長

数式の解読には「アケチ探偵自身の行動」という引数が足りていないというコバヤシ少年。解決策がひらめくアケチ探偵

数式の解読が完成し、「このあと二十面相から犯行予告の電話がかかってくる」とアケチ探偵。もちろん電話がかかってくる

数式が解読されたにも関わらず学校にいこうとしないコバヤシ少年。学校にいくことよりも事件を解くほうが世の中にとって重要だと主張するコバヤシ少年

ついにハシバ生徒会長の姿までモブ化つつある描写

犯行予告にあった通り、ムナカタ教授のパーティに女装して入り込むコバヤシ少年

停電とともに始まるプレゼンテーション。ムナカタ教授の不正によって非管理の硬膜の使用によって命を奪われた少年の話

その少年の姉が二十面相として登場。その正体はなんとミナミ検視官

料理に毒を入れたというミナミ検視官。しかしアケチ探偵はお見通しで、料理は安全なものにすり代えたとのこと

新宿サザンテラスに現れた二十面相。その正体は案の定、ナミコシであった

シャンデリアにつぶされるムナカタ教授。「うつしよは夢、夜の夢こそまこと」とナミコシ

「そして二十面相は現実になる」というナミコシ

原作との比較

原作「恐ろしき錯誤」との比較

・貰い火事で妻の妙子をなくした北川は、その不振なタヒに疑問を抱き、犯人を捜す。
・火事で子供を救い出していたにも関わらず、不振な男が妙子に『赤ちゃんがまだ家の中にいますよ』と囁いて、燃え盛る家に飛び込ませたのではないかと疑う北川。
・学生時代の仲間、「I」「M」「K」「野本」のうち、妙子に惚れていた野本が怪しいと断定する北川。
・4人それぞれに、「この男が犯人だと思う」と写真(ペンダント)を見せる北川。
・渋い顔をし、「君は疲れているんだ休みたまえ」という全員。ただし野本の顔色が優れない。
・野本に後日話をすると、「先日は疲れていたのですまない。しかし僕はMが犯人ではないと思う」という野本。
・野本に間違えてMの写真を見せていたことが分かった北川は、発狂して物語は終了。

:いつも以上に関係ないね……

:強いて言うならナミコシの自傷火事ぐらいかね……

:発狂エンドっていうのがすごいねこれ。

:うん。この話は初期乱歩の作品なんだけど、実はあんまり評価が高くない話なんだ。
こういう人間の猜疑心をテーマにした作品は、夏目漱石や森鴎外や芥川龍之介のほうが話の構成が巧いね。
ちなみに北川はやや汚い手段で嫁をゲットしているので、夏目漱石のある作品を連想させる。

:おー、確かに。「こゝろ」しか分からないんだけど、嫁のゲット方法が汚かったり、仲間に猜疑心を持ったりするのはほんのちょっとだけ似てるかもね。

スポンサーリンク

暗黒星についての考察

怪人二十面相を生み出す下地は?

:この世界は有効求人倍率も完全失業率もよい方向に動いているらしいんだけど、就職を諦めた人間の数は増えているという状態なんだって。

:ちょっと想像できないけど、どういうこと?

:世間は景気がいいし、望めば仕事はいくらでもある。だけど
働きたくないと考える若者(?)が増えていて、それが社会問題になってる

:ニート増大ってこと?

:簡単に言えばそう。
ただ、この手の人種は乱歩の時代からいて高学歴のニートは「高等遊民」なんて呼ばれたりしていた。
影男にもそういう描写があるし、さっきたかしくんが例に挙げた「こゝろ」の先生もそうだね。

:そういう暇をもてあました連中が社会的正義に目覚めちゃって、二十面相化してるってこと?

:そういうことになるね。

暗黒星の数式とプログラミング

:暗黒星の数式は、世の中のあらゆる事象を予測可能にするとのこと。
ラプラスの悪魔が大活躍してるみたいだね。

:そういえば、なんで数式の話してるのにコンピュータプログラムが出てくるの?
数式ができるとプログラミングもできるようになるの?


:ちょっと違う。
その話は、実は来期ノイタミナ枠の「すべてがFになる」の解説(宣伝)で詳しく行うんだけど、
プログラミングというのは「手段」なんだ。
プログラミングによって数式を組み立てられるわけじゃなくて、
数式を組み立てる時にプログラミングを利用しているに過ぎない。
例えば手計算で2の128乗を計算するのは非常に面倒くさいけど、
プログラムなら単純に「2^128」と記述すれば答えが即座に返ってくる。
複雑な計算式を入力できる電卓みたいなのを想像すればいい。

:なるほど。

:ちなみに高校の数学にもプログラミングはあるので、センター試験で選ぶ事ができるんだけど、別にプログラミングの知識はあんまり必要ないのでお勧め。
センター試験利用で私大を受けるなら比較的簡単に得点が取れるよ。
プログラミングに興味が沸けば来期に引き続き「すべてがFになる」を視聴してみよう!

:宣伝乙ww

暗黒星の数式が行うこと

:世の中のすべての事象が予測できると、電話がかかってくる事まで予測できるものなの?

:風吹けば桶屋が儲かる、っていうのに近いと思う。
風が吹くと砂が目に入り、目を悪くする人が出てくる
→目が悪い人は三味線を弾いて生計を立てる
→三味線の材料は猫なので猫が町から消える。
→猫がいなくなるとねずみ大繁殖。
→ねずみが桶を齧るので、新品桶需要が生まれる

とかこんな感じ。
仮にこういう事象が世の中にあったとしても、これは結果論でしかなく、再現性の高い事象ではないよね。
風対策や砂対策はするだろうし、三味線が高くなれば別の楽器に流れるかもしれない。
そもそもねずみが齧るのは桶だけとは限らないわけからね。
結果から原因を探るのは容易だけど、事象から結果を導くのは神ならぬ我々凡人には不可能だよ。

:まぁ、「とにかくすごい数式があって、未来がなんでもわかるんだ!すごい!」ってことだね。

アケチ探偵が数式に組み込まれるということ

:前回、ピョン2号は数式の失敗要因を「人間の不確定さ」に求めたけど、今回の答えは反対だったね。

:「アケチ探偵の行動原理の確かさ」が数式に組み込まれていることに、アケチ探偵が気づけなかったことが問題だったってことだね。

:そういうことになるね。
ただ、この話はもう科学の領域を離れているので、暗黒星の考察は無理っぽい。

事件の犯人について

ミナミ検視官について

:声から察するに、タヒ体君は弟さんがモデルだったんだね。

:それにしちゃ、毎度扱いがひどかったような気がするけどw

:カガミ警視、ミナミ検視官とくると、どうしても次の犯人が想像できてしまうよ……

:ナカムラ警部、今回一言もしゃべらなかったから不気味だったね。

:まぁそれは声優さんのギャラの問題もあるんだろうからなんともいえないけどw

ミナミ検視官の罪の重さは?

:毒物を無差別に混入させて大量の被害者を出す可能性があったからね。
サツ人未遂としてはかなり重めの判決が出ると思うよ。
医者としての職業倫理を犯しているってのも情状酌量の余地を削りそう。

:ミナミ検視官はほかの手段でムナカタ医師を訴えることはできなかったのかな?

:うーん、証拠の隠滅があったみたいだから即裁判は難しいかもね。
ただ手段がなかったわけじゃない。
世の中には医療系のジャーナリストもたくさんいるからね。
医療ミスや不正についての記事になるので、テレビや雑誌などのメディア関係者の助力が得られた可能性がある。
二十面相事件を起こすよりも、もっと正しい手段を模索するべきだったやっぱり思うよ。

:「ひぐらしの鳴く頃に 解」でもそんな話があったね。

:世の中、どんなに相手が憎くても、どんなに相手が悪だったとしても、こちらから物理的に危害を加えた時点で負けなんだ。
法治国家に住む我々が敵を糾弾する時は、正しい手段じゃなければ駄目なんだ。
これは職場でも学校でも同じ事。
証拠集めや証言集めを行い、自らの正当性を保ち続けなければいけない。

:復讐をするなら狡猾にってことだねww

:そういうことになるねww

解答二十面相のコーナー

みゆうさんのコメント

原作あらすじの菰田源三郎のタヒ因が癇癪(かんしゃく)になってますが、癲癇(てんかん)では?

 
:ご指摘ありがとうございました。同じ漢字だと勘違いしていました。

:これはむしろ指摘したみゆうさんがすごいねwよく気づいたなぁ……

まもさんのコメント

ナカムラ警部の元ネタって誰なんですかね⁇

 
:怪人二十面相シリーズの初期作品からセミレギュラーとして登場している刑事さんで、基本的には怪人二十面相の引き立て役だね。

:怪盗キッドの中森警部みたいなもんか。微妙に名前が似てるからもしかしたら元ネタなのかもね。

ナカヤマさんのコメント

ピョン2号さんが以前おっしゃっていた「乱歩らしい作品になるように動機を推理することが許される」事が改めて重要だと思い知らされました

 
:コメント毎回ありがとうございます!
励みになります!
今週はいまいち乱歩的ではなかったですが、クライマックスに向けて乱歩乱歩しい推理ができる事を願っています!

:最後くらいはビシッと決めてね!

あまり近代の本格推理に拘る必要は無いのかもしれませんが、今回の考察の様に「実際ならこうである」所をどういった独創解釈で押し通すかを見るのも楽しみ方の一つと言えるかもしれませんね

 
:そうですね。実際に乱歩作品のトリックは、推理小説としては古典的なものばかりですので、そこまで本格推理に拘る必要もないのかもしれません。
ただ、考察者として「どこに乱歩を見出すのか?」も一つの考察の楽しみと思っています!

それと、乱歩作品は昔は一読者として目を通していたのですが、本格的に読み返すようになったのはここ数カ月前の事です

 
:見返してみると、よくこんなのを少年向けにだしたなーとか思ったりする事がありますねw時代の流れが今とまったく違ったということなんでしょうが、同時に自分が大人になってしまった事に一縷の寂しさも覚えてしまいますww

:おっさん乙ww

スポンサーリンク

閉会式

こちらの記事も合わせてどうぞ

乱歩奇譚のアニメ続編2期の有無を色々な視点から予想してみた

乱歩奇譚の第1話を解説&考察(1)原作「人間椅子」との違いも説明

乱歩奇譚の第1話を解説&考察(2)犯人はあの人か?(ネタバレ?)

乱歩奇譚の第2話を解説&考察!小林が先生と認識できた理由

乱歩奇譚の第3話を解説&考察!原作「影男」のあらすじと比較

乱歩奇譚の第4話を解説&考察(1)原作「怪人二十面相」との比較

乱歩奇譚の第4話を解説&考察(2)原作「黒蜥蜴」のあらすじ紹介

乱歩奇譚の第5話を解説&考察!原作「芋虫」紹介と現実世界との対比

乱歩奇譚の第6話を解説&考察!原作「地獄風景」比較と警察の怠慢描写

乱歩奇譚の第7話を解説&考察(1)原作「パノラマ島綺譚」との比較

乱歩奇譚の第7話を解説&考察(2)コモダとヒトミを消した犯人を予想

乱歩奇譚の第8話を解説&考察!トリックや数式の欠陥について

乱歩奇譚の第9話を解説&考察!原作「恐ろしき錯誤」との比較

乱歩奇譚の第10話を解説&考察!ナミコシはキラと似ている?

乱歩奇譚の第11話(最終回)を解説&考察!原作「白昼夢」紹介

乱歩奇譚を考察!より面白い作品にするためにどうすべきだったか妄想してみた

乱歩奇譚は何クールで全何話?放送局別放送日時もチェック
質問者の写真
今回はここまで。
質問者の写真
今回って乱歩らしい話だったの?
質問者の写真
うーん、今回は「乱歩奇譚」としては重要な話だったと思うけど、江戸川乱歩らしさはほとんどなかったね。
質問者の写真
だからといって悪いとまでは言わないけど、次の話がどうなるのかは気になるところだね
質問者の写真
来週も考察みてね!
質問者の写真
下にスクロールして、他の記事も読んでいってね!

Pocket

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。この記事を気に入って下さったのであればSNSで広めてくださると嬉しいです。


当サイトではアニメ情報に加え、放送中アニメの解説・考察の記事も書いています。更新頻度も高めなので、サイトをお気に入り登録して毎日の暇つぶしにでもして下さいね!

関連記事

コメント

    • ナカヤマ
    • 2015年 9月 04日

    ミナミ検視官、今回は三分以上出番があってとても良かったです。
    タヒ体君のモデルや過去も明らかになってとても嬉しい内容でした。私服姿も凄く可愛いなぁ!
    ミナミ検視官でボイスチェンジャーをやると初音ミクみたいでしたね
    それにしてもナミコシの後継者(自称?)がミナミと言うのも面白いつながりです。ナミ繋がり。

    「恐るべき錯誤」とは直接関係の無い話ではありますが、このタイトルが付けられたのは良かったなと思います。
    数式を解いて二十面相の行動を先回りし、犯罪を食い止めたと思ったらナミコシが生きていたという想定外の事象が起こり敗北するアケチ
    この姿は、冒頭で「勝ったぞ」と連呼する北川が脳髄の脳髄の盲点による錯誤ゆえに失敗し発狂する姿と被ります。
    また、二十面相を追うあまり現実の学校社会やハシバという理解者までも認識がぶれてしまうコバヤシ少年の姿もトリックに熱中して周りが見えなくなる主人公を彷彿させます
    恐るべき錯誤はいわば失敗した主人公の話ですが、そういった意味でアケチ&コバヤシは今回「負けた」という感じですね。
    ちなみに今作も江戸川乱歩がデビュー三作目にして初めてぶつかった壁であり、断筆を考えるほどの挫折であったそうです

    医学博士と言う事で「悪魔の紋章」の宗像先生がでてきましたが、完全に悪役でしたね。断罪アッパーくらうわシャンデリアの下敷きになるわ
    第8話から出てきた暗黒星もそうですが、タイトルと関係ない所でキーワードが出てくると意外な掘り出し物を見つけた気分になって嬉しくなります

    • ピョン2号
    • 2015年 9月 05日

    狂言回し系だと思っていたミナミ検視官がまさかの二重面相とは。。。

    確かに藤田咲さんは初音ミクでしたね。
    閃光のナイトレイドでの多国籍演技が印象的だったのを覚えてます。
    恐るべき錯誤は確かにすばらしいタイトルですね。

    コバヤシ少年の今後については心配ですね。。。
    ただ、ハシバ生徒会長がなんとか止めてくれるはずだと信じています。

    断罪アッパーを初め、今回の犯人には妙な明るさがあったのが救いですね。本来なら未遂でもかなり後味の悪い犯罪なので。

    ナカヤマさんのフォローに毎回助けられています!また来週もお願いします!

    • 匿名
    • 2015年 9月 07日

    もしかして 恐ろしき錯誤

    • アニゴエBOSS
      • アニゴエBOSS
      • 2015年 9月 08日

      完璧に誤字でしたwご指摘ありがとうございます。(ピョン2号)

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アニメ好きのつぶやき

解説・考察隊メンバー紹介

解説&考察作品


アニゴエBOSSBOSS
アニメプロフ
視聴済み一覧

-解説考察作品-
2015春
血界戦線
シドニアの騎士
パンチライン
プラスティック・メモリーズ

2015冬
アルドノア・ゼロ
艦これ
クロスアンジュ
蒼穹のファフナーEXODUS
デス・パレード
東京喰種√A
ユリ熊嵐

ハチマキ
ハチマキ
-解説考察作品-
2015秋
鉄血のオルフェンズ

2015夏
がっこうぐらし

2015春
俺ガイル

いかあくま
いかあくま
-解説考察作品-
2016春
ガンダムUC RE:0096

2016冬
僕だけがいない街
おそ松さん

2015秋
櫻子さんの足下には~

2015夏
乱歩奇譚

大石陽
大石陽
-解説考察作品-
2015秋
すべてがFになる

まこ
まこ
-解説考察作品-
2015秋
終物語

えふくら
えふくら
-解説考察作品-
2015秋
コンクリート・レボルティオ

ピョン
ピョン3号
-解説考察作品-
2015夏
六花の勇者

ページ上部へ戻る