
今回の会議参加者
ピョン2号 | たかし |
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考察者 | 初心者 |




推理要素もほとんど無かったけど、今週は何の話をするの?


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乱歩奇譚のキャラ名復習

名前 | 呼び方 | 特徴 |
---|---|---|
コバヤシ | コバヤシ少年 | 13歳の主人公 |
アケチ | アケチ探偵 | 17歳の天才高校生探偵 |
ハシバ | ハシバ生徒会長 | 14歳の財閥御曹司 |
カガミ | カガミ警視 | 26歳の警視 |
ナカムラ | ナカムラ警部 | 38歳の刑事 |
影男 | 影男 | 年齢不詳の怪盗 |
ワタヌキ | ワタヌキ | 28歳の連続少女誘拐犯 |

乱歩奇譚第3話のあらすじ
紙袋をかぶった不審な男、「影男」は「大曽根さち子」に優しくされて、それ以来彼女を守ると決意。
カガミ警視からの「少女愛者(影男)による連続少女誘拐事件」への協力依頼を断るアケチ探偵
コバヤシ少年は誘拐事件に興味を抱き、個人的に捜査を開始
アケチ探偵が再登場するも、偽者だと見破るコバヤシ少年は公園で影男の話を聞く
影男は少女愛者だが、少女を傷つける行為は絶対に許さない。偽者を見つけたいのでコバヤシ少年に協力を依頼
コバヤシ少年は女装。
インターネットカフェに潜入。犯人(の母親?)に薬を盛られて、予定通り誘拐される
ワタヌキ登場
目を覚ましたコバヤシ少年は、手鎖で繋がれて、「新しいお姉さん」として犯人の「家族」に迎えられる。
母親が誘拐に協力している事が分かり、その母親に変装した影男がコバヤシ少年と再会する
誘拐された少女達の中に、「大曽根さち子」がいない事に気づいた影男は、少女たちに彼女たちの居場所を聞く
少女達は既に命を奪われて壁に塗り固められており、影男激怒。犯人ワタヌキに殴りかかるも歯が立たない。
警察およびアケチ探偵が踏み込み、犯人を逮捕。影男は警察官に変装して逃亡。
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乱歩奇憚の第3話を解説&考察
原作「影男」あらすじ
「影男」はさまざまな裏社会に出没する謎の33歳男。
冒険家、企業家、高等遊民(高学歴ニート)、小説家、地主など、様々な人物像を使い分ける。
小説家でもあり、稀代の犯罪者でもある彼はある日、須原という男に人の命を奪うためのアイディアを売って欲しいと懇願される。
須原はそのアイディア通りに人の命を奪うが、それを決して許さない影男は須原との縁を切ろうとする。
これを逆恨みした須原は影男をなき者にしようと……
「大曽根さち子」の父をアル中から救ったり、彼女をヘリコプターに乗せたり、自分の愛人に引き取らせたり、という話を挟みつつ、最後は唐突に登場した明智探偵によって影男は逮捕される。
原作「影男」との比較
た:やっぱり全く関係なさそうだねw
ピ:そうだね。人間椅子と同じで、ストーリー自体は原作とは全く別のものだ。
とはいえ、共通点がないわけでもない。
た:ふむふむ
ピ:例えば、「大曽根さち子」という登場人物は母を早くになくし、父はアル中で、継母に疎まれる花売りの12歳として登場する。
空を飛ぶ空想が好きで、影男にヘリコプターに乗せてもらう事で大喜びしていた。
最終的には影男の愛人のひとりに引き取られて、学校に通うようになるので、まずまずのハッピーエンドと言っていいだろう。
た:原作では救いがあってよかった!
……ってあれ? 影男は少女愛者じゃなかったの?
ピ:うん、別にそんな事実はないね。
複数の顔のそれぞれに複数の愛人がいる感じだね。
た:まじか。
ピ:愛人の数は数十人にも及ぶ。
た:!?
ピ:少女にだけ変装できないというような描写はなかったと思うけど、20歳の美女にも化けられるという描写から、それ以下は難しいんだろうなとは想像できる。
人間の裏側の秘密を探求することが生き甲斐。
隠遁術(忍術で身を隠す)を得意とし、非常に運動神経が発達していて、あらゆるスポーツを好む。
た:原作どおりなら犯人に返り討ちにあってなかったのにね。
ところでこの人は有名な怪人二十面相なの?
ピ:いい質問だね。結論から言うと、違う。
ただ、「影男」は戦後に再び筆を取った乱歩が、今までの作品のあらゆる要素をぶちこんだ作品で、影男の設定そのものは怪人二十面相から拝借してるので、その指摘はかなり惜しいと思う。
来週は怪人二十面相の話っぽいけど、偽者で本物は今後出てこないような気がする。公式HPの登場人物一覧にも居ないし。
た:え?そうなの?
ピ:原作では、怪人二十面相は何度も明智小五郎によって逮捕されているんだけど、そのたびに脱獄して、別の事件を引き起こすんだ。
毎週のように脱獄されてたら、さすがに警察なにやっとんじゃい!って話になっちゃう。
来週の乱歩奇譚4話は、たぶん怪人二十面相の模倣犯がデスノートっぽく悪人を裁く話になるだろうね。
原作の怪人二十面相は本家怪盗紳士「アルセーヌ・ルパン」と同じく、人の命を奪うことだけは行わないというポリシーがあるからね。
た:うーん、来週はミステリーっぽくなりそうで楽しみだね!
「影男」事件の登場人物
た:ちなみに犯人の「ワタヌキ」は原作にはいるの?
ピ:影男の顔のひとつとして、地主「綿貫清二」がいる。
ついでに「地獄の道化師」という作品で女性のタヒ体入りの石膏像の運搬で濡れ衣を着せられた「綿貫創人」もモデルかも。
※「地獄の道化師」は金田一の「地獄の傀儡師」名前の元ネタ
なお原作「影男」にも犠牲者を室内に塗りこめる描写がある。割と乱歩ではよく使われる手法だね。
た:江戸川乱歩って結構ワンパターンなんだね……
ピ:セルフオマージュというべきかな。まぁあんまりトリックで魅せるタイプの小説家ではないからね。
ミステリーと「変態●欲」の融合こそが彼の真価と言える。
た:ちょっと思い出したんだけど、さち子ちゃんは第一話の推理で出てきた「大曽根」と関係あるの?
ピ:ないね。意外と乱歩作品は苗字が被ってるケースが多い。
大曽根も星野も小林も綿貫も他の作品に出てくる。苗字被りは今後も出てくるだろうね。
た:小林が被ってんの!?
ピ:さすがに小林少年が出てこない話だけどねw
アケチ探偵が影男に興味が無い理由は?
ピ:一話でアケチ探偵が「俺が探偵なんてやっている理由は一つ。異常犯罪のリアル謎解き。これ以上に面白いゲームはない」って言ってる。
アケチ探偵目線では、影男の犯罪は決して異常犯罪ではないからだろう。
た:性的嗜好はともかく、犯罪自体は単なる義賊怪盗だからってことなのかね。
ツッコミどころ1「身分証明書が必要な漫画喫茶で、非行少女でもない子が一夜を明かすのは不自然では?」
た:これは思った。わざわざ男女で分かれた会員カードがあるってことは、身分証明書必須の場所だろうし。
ピ:コバヤシ少年以外が誘拐されたのは昼だったのかも。
た:しかしこの漫画喫茶も気の毒になぁ……事件が明るみに出たら間違いなく潰れるだろうねぇ。
ピ:監視カメラを気にしてたってことは、少なくともワタヌキ家はオーナーじゃないだろう。
ワタヌキ母がエプロン姿だったけど、これが漫画喫茶の店員エプロンだったのかもね。
ツッコミどころ2「少女が食事を注文しなかったら?」
た:んー、トイレにいったり、飲み物取りに席を立ったタイミングで薬を盛ったとか?
ピ:監視カメラがあるから駄目。
まぁ客全員を眠らせてもかまわないわけだし、飲み物のサーバに睡眠薬を仕込んだのかも。
た:やりたい放題だねぇ……
ピ:とあるチェーン店の飲食店で、閉店時間に女性一人客を監禁して逮捕された事件が昔あったけど、その再来になるだろうね。
た:お、おう……このアニメで風評被害にならないといいけど……
ツッコミどころ3「少女が逃げられなかった理由は?」
ピ:新潟で同じように少女を誘拐して10年以上も監禁した事件が昔あったけど、この事件でも被害者は逃げようと思えば逃げられたらしい。
なお、母親が監禁に協力的だったという点からも、この事件との類似性が認められる。
た:前回の少年犯罪についての刑事たちの描写もそうだけど、結構「攻め」てるよね……
ツッコミどころ4「コバヤシ少年が影男の変装を見破れた理由は?」
た:愛の力的な?
ピ:コバヤシ少年の相貌認識障害(?)と関係があるのかもしれないけど、ワタヌキ母の変装は見抜けなかったことを考えると、おそらくは「明らかにアケチ探偵がしないであろう行動を取った不自然さ」から断定に至ったんだろうと思う。
た:一話完結できれいにまとめようとしているので余計な時間は取れないんだろうけども、せめてちょっとしたカマ掛けぐらいはしてほしかったかなと思うわ。
ピ:今後もコバヤシ少年が影男の変装を見破る展開になりそうだね。
た:あ、そういえば一話の最初でピョン2号が予想してたコバヤシ少年女装回だね。予想的中おめでとう!
ピ:ありがとう!もうちょっと意外なところで見たかったけどねw
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閉会式
・乱歩奇譚のアニメ続編2期の有無を色々な視点から予想してみた
・乱歩奇譚の第1話を解説&考察(1)原作「人間椅子」との違いも説明
・乱歩奇譚の第1話を解説&考察(2)犯人はあの人か?(ネタバレ?)
・乱歩奇譚の第2話を解説&考察!小林が先生と認識できた理由
・乱歩奇譚の第3話を解説&考察!原作「影男」のあらすじと比較
・乱歩奇譚の第4話を解説&考察(1)原作「怪人二十面相」との比較
・乱歩奇譚の第4話を解説&考察(2) 原作「黒蜥蜴」のあらすじ紹介
・乱歩奇譚の第5話を解説&考察!原作「芋虫」紹介と現実世界との対比
・乱歩奇譚の第6話を解説&考察!原作「地獄風景」比較と警察の怠慢描写
・乱歩奇譚の第7話を解説&考察(1)原作「パノラマ島綺譚」との比較
・乱歩奇譚の第7話を解説&考察(2)コモダとヒトミを消した犯人を予想
・乱歩奇譚の第8話を解説&考察!トリックや数式の欠陥について
・乱歩奇譚の第9話を解説&考察!原作「恐ろしき錯誤」との比較
・乱歩奇譚の第10話を解説&考察!ナミコシはキラと似ている?
・乱歩奇譚の第11話(最終回)を解説&考察!原作「白昼夢」紹介
・乱歩奇譚を考察!より面白い作品にするためにどうすべきだったか妄想してみた
・乱歩奇譚は何クールで全何話?放送局別放送日時もチェック





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コメント
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はじめて書き込みさせていただきます
ツッコミどころの1ですが、さち子をさらったのは漫画喫茶ではないのではないかと考えています
ワタヌキが影男に対して「影男の姿をまねて娘を家に招待した事もあった」と言う台詞があります
彼は今回だけでもコバヤシ含めて10人の娘を誘拐する事に成功しているので様々なパターンを用意しているのではないかと
影男が掴んでコバヤシが利用した漫画喫茶ルートもその中の一つだったのでは
ただこの考えは証明付ける鍵も少なく憶測の域を越えない事は承知しております
原作との比較や考察はとてもためになります。
実際の影男や大暗室などもう一度読み返したくなりました
これからもレビューや考察を楽しみにしています
コメントありがとうございます!
原作との比較は大変力を入れているところなので、とてもありがたいお言葉です!
今後もご期待に沿えるように全力でレビューしていきます!
>>さち子をさらったのは漫画喫茶ではないのではない
さち子嬢については、まさにその通りかと存じます。
影男をダシにして誘拐したのかもしれませんし、他のルートかもしれません。
これは今後、明らかにならないことなのでしょう。
「影男のフリをして誘った」とも「影男の雰囲気を人目で見破れるさち子嬢が騙されるはずがない」とも考えられますね。
壁に塗り込められた5人の少女が非行少女で、
存命の4人の少女が比較的普通の娘だったという可能性もあります。
無限に想像は膨らみますが、ひとつ確実にいえることは、影男の調査能力は警察よりもはるかに高いということですね。
次に登場した際は、アケチ探偵と共同戦線を張ったり、「実はこの犯人と疑わしい人は影男だった」という展開だったりしてほしいですね!(ピョン2号)