
今回の会議参加者
大石陽 |
---|
![]() |
考察者 |







スポンサーリンク
『すべてがFになる』のアニメ第5話『銀色の希望』&第6話『真紅の決意』をネタバレ解説&考察
犯人は結局誰なのか?
というわけで、まずは予告通り最大の謎から明かしていこう。
15年前の事件、そして、現在のふたつの事件。
真賀田研究所を舞台にした凄惨な事件の犯人は、いずれも“天才”真賀田四季だ。
「まさかそんな」
と思っただろうか。それとも、
「ああ、やっぱり」
と思っただろうか。
私としては、後者の人が多いのではないかな、と予想している。
では、真賀田四季は自分で自分に手を下したのか?
もちろん、そんなことはない。
あの花嫁衣装を着せられていた被害者が真賀田四季であるとすると、その後の新藤所長の事件が説明できないからである。
それでは、あの事件の被害者は一体誰だったのか。
スポンサーリンク
第一の事件の被害者
そのヒントは真賀田四季の部屋にある。
真賀田四季らしくない本。
真賀田四季らしくないぬいぐるみや玩具。
二人分ある家具。
これらの情報は、すなわち、真賀田四季の部屋には最初からふたりいたことを示している。
真賀田四季の部屋には、他人の出入りが厳しく制限されている。
他の人間を隠すのは、簡単とは言わないが可能だ。
では誰を隠していたのか。
被害者の外見は、過去編の、14歳の四季と非常によく似ている。
結論から言うと、最初の事件の被害者は四季の娘である。
そして父親は過去編で匂わされているとおり、新藤清二だ。
研究所に入る時点で、四季は既に娘を身ごもっていた。
部屋にあった四季らしくない物品や、鍵の開け閉めをするロボットは、娘のためのものだったのだ。
真賀田四季の犯行計画
部屋にあった15巻までの本、『すべてがFになる』のカレンダー、四季の残したメッセージ。
犀川先生は、メッセージは犯人が残したものだ、被害者が自分の運命を知ってこのようなメッセージを残すのはおかしい、と言っているが、それは全くそのとおりだ。
しかし、犯人が四季で、被害者が四季ではなかったとすれば、「メッセージを残したのが四季であること」「メッセージを残したのは被害者ではなく犯人であること」は、まったく矛盾しない。
Fは、16進法における最大の数であり、10進法表記では15になる。
そして、四季がこの部屋で過ごしたのも15年間。
四季はかなり前から、この犯行を計画していたことになる。
となれば、もちろんシステムの不調やデボラの暴走も四季が予め仕組んでおいたものだ。
水谷がRedMagicのバージョン6を見て驚いていたように、研究所のシステムを司るOSは真賀田四季が開発したものだ。
つまり、この15年目の事件のために、OSそのものに予め仕掛けを作ってあったのである。
後からの細工であれば、改変された部分を見つけることで問題を解決することができるし、バグであればおかしい箇所を探せば良い。
しかし、根本的な部分が予め不調を起こすようにプログラムされているとは普通は疑わないものだ。
そして、娘に花嫁衣装を着せ、P1に乗せて部屋から送り出す真賀田四季。
人々は当然娘のほうを追う。
四季は、その隙にエレベータを使って屋上に上がったのだ。
萌絵たちは屋上で誰かが呼んだ可能性を考えた。
地下からエレベータに乗り込んだ人の姿は監視カメラには映っていなかったのだから、乗っていないと考えるのは当然だ。
しかし、犯人が研究所創設時から既に犯行計画を立てていたのであれば、予め映像を記録するシステムに手を加えるのも可能だ。
さらに、四季には研究所内に有力な共犯者も存在する。
真賀田四季と共犯者
共犯者とは誰か?
それはもちろん、新藤所長だ。
過去編でもわかるとおり、彼は四季と深い関わりを持っている。
真賀田左千朗博士に代わって真賀田研究所の所長となったのも、もちろん元から左千朗に声をかけられていたというのもそうだが、15年前の事件で四季の共犯者となったということが大きい。
ストーリーの序盤にあった真賀田四季についての語り。
彼はこの夏のために真賀田四季についてのことを書き遺していたということは、彼がこれから起こることについて、四季から知らされていたことを示すものだ。
彼自身が被害者となった第二の事件も、予め覚悟していたものだったと考えれば、萌絵が言ったようにコックピットで背後から貫かれていたことに不思議はない。
いつ、どのように犯行が行われたかについては、少し後に説明しよう。
本編では早々に退場した彼だが、重要な役割を果たしている。
それは、真賀田未来を研究所へと連れてきたことである。
真賀田未来とヘリコプター
先程も言ったように、真賀田四季は犯行後、屋上に向かった。
萌絵たちは、真賀田未来がヘリコプターから下りてくるところを目撃しているが、ヘリが戻ってきたところは当然見ていない。
そして、新藤所長は真賀田四季の共犯者である……。
もう予想がついたかもしれないが、新藤所長が連れてきたと称する真賀田未来こそが、真賀田四季本人だ。
「真賀田四季」と比べると大人びているが、当然だ。
真賀田四季はもう14歳ではない。今や29歳のはずだからである。
「四季」の姿を見せられて驚いたり、日本語が不自由なふりをしたり、というのは全て演技に過ぎない。
それらも含めて、“天才”真賀田四季の計画なのだ。
真賀田四季と本当の犯行計画
しかし、この犯行にはまだ不可解な点もある。
研究所から、このような事件に乗じて自由になるためだけに、わざわざ娘を今まで育てる必要があったのか。
元からいなくなる予定であるなら、なぜ最近になって娘を真賀田四季として露出させていたのか。
……これらの説明のつかない行動は、しかし、犯行計画に変更が生じたのだと考えれば説明できるようになる。
それでは、本来の計画はどのようなものだったのか。
当初の計画では、犯人は娘であり、四季と清二が被害者となるはずだった。
四季が15年前に両親を手にかけたように、娘にもまた、自分たちふたりに引導を渡す役割を与えようとしたのだ。
娘を育て、対外的に真賀田四季として露出させていたのも、娘に自分の名を継がせる計画だったのだろう。
子孫を残すことと、その親の生命の終わりとが四季の中で結びついているのは、清二の独白の中でも語られていることだ。
四季は、15年前の事件でその思いを強くしたのだろう。
萌絵に、両親を失った事件について「真賀田四季」が尋ねたのも、この犯行計画あってのことだと考えられる。
その計画はなんらかの原因で破綻した。
だからこそ、四季は計画を変更し……、しかし、犯行自体は事前準備通りに行うこととし、自らが外界に出ることにしたのだ。
自分の名を継がせることに失敗した今、彼女がいったいなにを目的としているのか……。
それは、S&MシリーズやGシリーズなどで起こる様々な事件、そして、百年シリーズなどにも影響していくことになる。
四季のビジョンの一端に触れたいという人は、是非原作にも挑戦して欲しいと思う。
スポンサーリンク
閉会式

・すべてがFになる1「”BとDが孤独”の意味」
・すべてがFになる2&3「犯人のヒント」
・すべてがFになる4「テレビの用途」
・すべてがFになる5&6「犯人暴露」
・すべてがFになる9「”女性が2人”の伏線」
・すべてがFになるの続編制作の可能性を予想してみた
・すべてがFになる1-1「原作のどこまでアニメ化?」
・すべてがFになる1-2「”7が孤独”の意味」
・すべてがFになる2-1「登場人物と原作改変箇所の紹介」
・すべてがFになる2-2「真賀田四季と西之園萌絵の対比演出」
・すべてがFになる3「語り手について」
・すべてがFになる4-1「キャラの反応が原作と違う理由」
・すべてがFになる4-2「四季の他の人格について」
・すべてがFになる5「四季の腕と足について」
・すべてがFになる6「15という数字」
・すべてがFになる7-1「水谷や島田の原作との相違点」
・すべてがFになる7-2「未来との会話の注目点」
・すべてがFになる8「ミチルの役割」
・すべてがFになる9-1「原作との違いと儀同世津子」
・すべてがFになる9-2「プログラマー視点の疑問点」
・すべてがFになる10「タイトルの意味」
・すべてがFになる11-1「国枝の質問」
・すべてがFになる11-2「真賀田四季の犀川評」
・すべてがFになるの放送日時とクール数情報








→終物語が3倍面白くなる記事

→鉄血のオルフェンズが3倍面白くなる記事

→コンクリート・レボルティオが3倍面白くなる記事

→櫻子さんの足下には~が3倍面白くなる記事
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。この記事を気に入って下さったのであればSNSで広めてくださると嬉しいです。
当サイトではアニメ情報に加え、放送中アニメの解説・考察の記事も書いています。更新頻度も高めなので、サイトをお気に入り登録して毎日の暇つぶしにでもして下さいね!
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
はじめまして。
「すべてがFになる」のアニメ版した見ていない初心者です。
アニメ最終話まで見てから数か所見直して、ネットで解説など見て「なるほどな~」って再度、楽しんでおります。
しかし、2点だけどうしてもよくわからないことがあり、ぜひ、解説していただきたくコメントしました。
もし、このコメント欄の趣旨と異なっておりましたら、申し訳ありません。(その際は、無視してください)
さて、不明点は以下です。
①真賀田四季は犯行後、屋上に向かい着陸したヘリコプターに乗り込んで、元々ヘリコプターに乗っていたように
演じていますが『屋上にたまたま誰かがいたら、計画は破たんしていたのでしょうか?』それだと、結構運任せの計画な気が・・
②『真賀田四季はどうやって新藤所長をコ口したのでしょうか?』犯行後、屋上に向かった際は新藤所長は生きてますよね?
もし、その時点で刺されているなら、普通ショックで気を失うと思います。
気合いで何もされてないそぶりをしたのかもしれませんが、萌絵たちが何も言わなければ、新藤所長もヘリコプターから
出てこないといけなくて、刺されてるのバレます。
別の機会に刺したとすると、これも新藤所長の行動次第では、犯人がばれる可能性があり、運任せな気が・・
いかがでしょうか?
自分が理解できてないだけかもしれず、お手数ですが、解説いただけると幸いです。